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人はなぜ老化するのか

老化はなぜ起こるのかということは、科学によってある程度わかってきていますが、わからないことも非常に多いようです。

老化の原因として考えられているひとつは、細胞の酸化と糖化。
私たちは酸素を吸って生きており、酸素は肺から細胞に送られています。酸素が細胞の中に入ると、栄養素となる物質を酸化していきます。例えばブドウ糖。
このブドウ糖が分解されて出すエネルギーで私たちは生きています。

ところが酸素は栄養物だけでなく、すべての物質を酸化する能力があります。とくに重要なのは酸化力の強い活性酸素。酸素は酸化する時に電子を物質から奪い、水素イオンと一緒になって水になるのですが、もし十分に電子がない場合、酸素は電子をより多く奪おうと活性酸素に変化してしまいます。この活性酸素が非常に酸化能力が強いのです。

細胞内に酸素が入る → 活性酸素ができる → 活性酸素が物質を酸化する

膜が酸化してサビれば、膜の機能は落ちてしまいます。
遺伝子が酸化されれば、異常分裂をおこし、ガン化するものも出てきます。
そして細胞は死滅していきます。
このように考えると、呼吸することが老化への道ということになってしまいます。

一方で、私たちのエネルギー源として重要なブドウ糖。ブドウ糖はエネルギーになるだけでなく、その分解産物から脂肪が出来たり、タンパクや遺伝子の成分になったりします。
さらに脳は、エネルギー源としてブドウ糖しか使えないため、ブドウ糖が少ないと意識を失い死亡していまいます。
このように生存に必須のブドウ糖ですが、体の成分と結合してその構造を変えてしまいます。この結合したものが糖化物質です。

例えば皮膚のコラーゲンが糖化すると褐色になります。お年寄りの皮膚が褐色に見えるのはこのためです。また、白内障の白い部分は糖化したレンズのタンパクです。
このようにブドウ糖は細胞の成分を糖化して機能を異常にさせますが、酸素もブドウ糖に欠かすことのできないものなのです。しかし、同時にこれらは老化を起こす物質でもあるのです。

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