活性酸素と老化
人は空気を吸わなければ生きていけませんが、この空気の中にある「酸素」が酸化・老化の原因でもあります。
呼吸を通して取り込む酸素は「活性酸素」という物質に変化します。この活性酸素は、細菌などを排除する作用もあり、人体に必要なものですが、私たちの体を酸化させる原因にもなります。
体にある約60兆個の細胞。その細胞の壁の主な材料の一つが、不飽和脂肪酸といわれる酸化しやすい物質で、エネルギーの生成段階における化学変化によって、体の細胞は酸化します。
しかし、酸素は血液によって体中に運ばれ、そこでエネルギーとして使われるため、細胞の酸化は避けることができません。
酸化に対抗するSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)をはじめとする抗酸化酵素が、肝臓で生成され活性酸素を退治してくれますが、歳と共に減少を続け、徐々にキズつけられた細胞が増えカラダはサビついていきます。
また、活性酸素を増やす要因には、食生活の乱れやタバコや大量の飲酒、過激なスポーツ、紫外線など、さまざまな要因がありますが、ストレスも重要な要因のひとつです。代表的なメカニズムに以下の4つがあります。
- ストレスを感じると、ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」が分泌される。この分泌と分解の過程で活性酸素が発生する。
- ストレスは、「抗酸化ビタミン」ともいわれるビタミンCを大量に消費する。
- 緊張が続いて血管が収縮すると、一時的に血流が阻害される。その後、血管が拡張したときに血液が勢いよく流れると、大量の活性酸素が発生する。
- ストレスがあると高血糖になりやすい。この状態も活性酸素が増える一因。
※最近では、活性酸素と老化の因果関係を否定する研究もいくつか発表されています。
<活性酸素は老化の原因ではないとのマギル大学による研究>
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